社会

ちょっと重い話です。

自転車がパンクしたので、一昨日近所の商店街の自転車屋に行った。
普段から存在は知っていたものの、真面目に営業してるのか?と思うほど暗くて小汚い店だったので、あまり行きたくなかったが、そこしか近い店はなかったからしょうがなく行った。
ドアを開けて中に向かって「あのーパンク修理お願いしたいんですけどー」と言ったら、中から現れたのは、強面のおっちゃん。
こいつちゃんと直せるのか…?と思ったが、いざ話してみると、こちらをガキ扱いするもののちゃんと聞き分けてくれた。
「最近はちょっとしたことでもすぐ修理してくれっていうババァがうるさくてさー、あんまり商売やる気になんないんだよな」、だそうだ。
聞けばその人はロードバイクが好きで、プロの人とも一緒に組んで大会に出たりもしているそうだが、最近の自転車業界はほんとにひどいと言っていた。
なんでも、気軽に自転車を始める人達がどうしようもないのだそうだ。
「大会とかにいってもさ、雨の日ってすべるじゃん。そうするとタイヤ滑らせて誰が一番滑れるか競争だ、とかやってんの。もう馬鹿じゃねえの、と思うね」だとか。
まあ変な人はどこにでもいますからね、最近は特に政界とか教育現場とかで、と返すと、おっちゃんも乗ってきて、妙に話が弾んだ。
ロード、ミニベロ、マウンテン、ママチャリ、モーターサイクルときて、そこから与党、殺人事件、モンスターペアレント、韓国と話して、気がつけば小一時間話していた。
おっちゃん曰く、最近の人は物事を白黒はっきりつけすぎなのだそうだ。
「政界を批判するにも、一般市民が政界を本当に正しく理解した上で意見するなんてのはすごくめんどくさいことで、だから誰もそこまで理解してない。結局みんな理解しないまま勝手な思い込みで批判してる。そういう姿勢が問題だ」
「だから俺は、世の中のものはほとんどグレーだと思ってる。そりゃ意見はいうし、俺はこうだと思うよ、ってことは言うけど、断定はしない。そういう姿勢が大事なんじゃないか」

なんだか、すごく久しぶりに真剣な大人に会った気がした。
大学にきてからというもの、大人といえば大学の先生しかいなかったから無理もないと思う。
だからこういう経験は非常に貴重だと思うし、おっちゃんの、「全てはグレーだ」という考え方は今までしたことがなかったから、とても参考になって、そのあといろいろと考えさせられた。

でも、そもそも昔はこういう近所同士の世間話の中に、おっちゃんと話したような意見交換が頻繁にあったんじゃないかと思う。
もしそれが今でも続いていれば、社会はこんなにも独りよがりな人間ばかりでないはず。
今の社会の悪いところは、世間話を忘れたご近所さんが招いたんなんじゃないだろうか。
…と初めて自分で思えるようになった。

社会が悪いのはご近所さん同士の会話がなくなったせいだ、という話は本でいくつか読んだことがあったけど、当時は読んでもよくわからなかった。
理性では納得していても、感情では納得していなかった。
それが一昨日の経験で、感情が同意した。
やっぱり、経験することっていうのは何かを納得する上で、本当に有効な手段だと思う。
今の社会に足りてないのはそれだと思う。
本や雑誌、TV、インターネットで見る傍観的な考えであふれかえってしまった現代の欠点。
当事者になることを怠った人々の手によって作り出された今日。
かといって、誰を責めることもできない。
現代の社会を作った人々は、過去の社会によって作り出されたのだから。
ならば、このデフレーションを断ち切る方法が必要だ。
だがその方法が思いつかない…。
どうすればいいんだろう?
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  by k_heart1412 | 2008-09-22 01:26 | ちょっと重い話

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